お店を始めたきっかけ

こんにちは、店主の井手英史(いで えいし)です。

佐賀県の出身です。

お店を始めたきっかけについてお話させて頂きます。

自分の生き方について考える大きなきっかけとなったのは 2011年の東日本大震災です。

当時佐賀に住んでいた僕は、震災後のボランティアで被災地に向かいました。

一瞬にして全てを奪われてしまった町とそこに住む人達。

ですが、何もかが無くなってしまったゼロの状態から

懸命に立ち上がろうとしている人達の姿もありました。

その姿を目にしたとき、胸が熱くなると同時に

自分は今、懸命に生きているのか と疑問に感じてしまったのです。

仕事もそれなりに楽しくはやっていましたが、その先が全く見えない。

でも自分が何をやりたいのかも分からない。

ボランティアから戻ってしばらくは、自分の無力さと情けなさで

鬱状態に陥ってしまいました。

居心地のよい場所・人達との出会い

何とか抜け出さないと、と外に出向き自分探しをはじめました。

そしてたどり着いたのが糸島でした。

佐賀からも近く、以前からもたまにバイクで海を見に来たりしていたのですが

そこに住む人たちと関わったことはありませんでした。

ですが ひとりで小さなカフェに入ってみると

店員さんや居合わせたお客さんが気さくに話しかけてくれたり

あたたかい人達と寛容な雰囲気に魅了されました。

そして糸島には工房が沢山あることも知りました。

これは2012年ごろの話で、いまよりもまだ糸島が有名になる前のこと。

いつしか人伝いに情報を得て糸島を巡るのが毎週末の楽しみになりました。

小さい頃からものを作ることが好きだったこともあって

ものづくりには興味がありました。

木工やガラス、、いろいろなものづくりの工房を訪ねて

作品を見たりお話をさせて頂きました。

どの工房の方もとても親切に接して下さったこと、とてもありがたかったです。

僕は元々バイクが好きで、それをきっかけに革製品にも興味を持つようになりました。

自分で製図を描いて職人さんにオーダーしたり

そのうち少しずつ道具を揃えて革小物をつくり始めました。

ひとつ作れるようになると、それが少しの自信になって

友人や知人からオーダーをもらったりするようになりました。

すると徐々に自分のやってみたいことが見えてきました。

苦しかったときに自分を元気づけてくれた糸島に 恩返しをしたいという想いと、

海の近くにある生活に憧れて 糸島へ移って革製品のお店をやってみよう と決めました。

独学でどこまでできるかは分からないけれど

とりあえず一生懸命やってみようと。

2014年ニュージーランドへ

革製品のお店をやることに決めてから、

その前にもうひとつやってみたいことがありました。

それは海外に出ることです。

僕は今まで一度も海外に出たいと思ったことはありませんでした。

ですが 糸島で出会ったお店の方たちの中には海外で暮らした経験がある人が多く

お話を聞いているうちに、自分も海外にでてみたいと思うようになりました。

2014年 ワーキングホリデーを利用して1年、海外で働くことに。

ものづくりの観点からヨーロッパに興味があったのですが、

職につくのが難しいことや物価の面で断念。

巡り巡って たどり着いたのがニュージーランドでした。

当時の僕はニュージーランドについて何も知りませんでしたが、

色々調べて知っていくと 興味深くて自分に合いそうな国だと感じました。

自然をとても大切にしているところ、

小さな国ながら輸入に頼りすぎず、自然エネルギーや環境対策も進んでいる。

環境に優しいエコな製品も気になっていました。

ニュージーランドに渡ってからは、語学学校にしばらく通い

ゼロから英語を学びました。

その後は、南島の自然保護区にあるホテルで

メンテナンススタッフとして働くことが決まりました。

施設の電力を水力発電で賄っており、その電力で温泉も汲み上げていました。

仕事内容は、水力発電の管理や施設設備が壊れたら修理するという

何でも屋さんのようなことをしていました。

水源の管理

その職場で、妻に出会うことになります。

ニュージーランドでは、沢山のことを学んで

多くの素敵な人達や ものに出会いました。

きっとそれらはこれからの僕たちの暮らしも豊かにしてくれるものだと感じました。

現地で出会った素敵なものをご紹介しながら

海の向こうの国を近くに感じてもらうことができたら嬉しく思います。

お店はもうすぐ丸5年になります。

まだまだ勉強中で、学びたいことが沢山あります。

学びには人との出会いが欠かせないこと、身を持って感じています。

お店に訪れて頂いた際には是非お気軽に話しかけてくださると嬉しいです。

お会いできることを楽しみにしております。

2020年10月  井手英史